三田論

石井太研究会では、ゼミに所属する3年生が三田論(三田祭論文)を執筆し、論文とスライドを研究成果として発表します。このページでは、各年度の三田論の成果を公開しています。


2023年度三田論

秋山賢介・井納和希・笠原大・鈴木遼也・谷眞之介「外国人受け入れが将来人口に及ぼす影響の人口学的分析」(経済学部三田祭論文コンクール投稿論文)

我が国では現在少子高齢化が進行している。総人口は 2008 年をピークに減少局面に転じ、それに伴い生産年齢人口割合も同じく減少が継続している。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来人口推計(令和 5 年推計)」によれば、1970 年代に総人口の 70%近くを占めていた生産年齢人口割合は 2070 年には約 52%まで減少すると推計されている。そこで本研究では、今後不足することが見込まれている労働力を外国人の受入れによって補充することを想定し、長期的に日本の生産年齢人口を維持するために必要な受け入れ水準を分析した。また、受け入れ国である我が国の他に、送り出し国の視点も踏まえた受け入れの現実性と、受け入れによる影響について考察を行った。
 本研究においては、国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の将来人口推計(令和 5 年推計)」のデータを用いて分析を行った。まず出生中位・死亡中位仮定において長期的に生産年齢人口を維持するのに必要な補充移民数を求めた。次に出生高位においても同様の分析を行った。最後にそれらの必要補充移民数が国内にどの程度のインパクトを与えるのか、国内の外国人割合を用いて分析を行った。
 その結果、出生中位・死亡中位仮定において生産年齢人口を維持するためには補充移民数が年間 80.65 万人必要という結果が得られた。一方、出生高位・死亡中位仮定においては年間 44.35 万人で生産年齢人口を維持することが可能であることが明らかとなった。また、出生中位・死亡中位仮定における必要な補充移民数年間 80.65 万人を受け入れた場合、2070 年の外国人割合は総人口においては34.4%、生産年齢人口においては44.9%まで上昇するということが結果として得られた。

論文

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2022年度三田論

川島康生・川村裕・田村誓悟・原田怜「日本人の自殺率に失業率が及ぼす影響に関する人口学的分析」(経済学部三田祭論文コンクール投稿論文)

 我が国の自殺者数は98年に年間3万人台に急増し、以来7年間にわたり3万人を超える水準で推移している。WHOによれば、自殺の問題は世界的にみても深刻な問題であり、世界の主要な死因の上位20位以内に入っている。その数はマラリアや乳がん、戦争や殺人による死者数を超え、年間80万人近くの人が自殺によって死亡している。我が国における自殺研究は(1)社会学的・心理学的研究、(2)疫学的研究、(3)医学的研究の三種類のアプローチに基づいて、主に健康の側面から自殺を研究し、有効な対策を立てようと試みており、優れた研究が蓄積されている。これらの研究から自殺リスクに繋がるうつ病や精神疾患の背後には、各個人の社会的立場の関係性や、事業・雇用の問題による経済的困窮などの要因が存在しており、それらを解決することが自殺率の改善につながると考えられている。
 その一方で、これらの多くの先行研究では被説明変数の自殺率として粗死亡率が用いられている。国別・地域別比較や時系列比較の際に、対象となる集団の年齢構成が異なると、粗死亡率では正しく比較を行うことが出来ない。
 したがって本研究では、年齢調節を行った自殺率を用いることにより、年齢構成の違いによる影響を排除した年齢調整自殺率と完全失業率の関係の分析を人口学的に行うことを目的として分析を行った。
 本研究からは、年齢調整死亡率と完全失業率について正の関連性があること、男女別では男性の方が正の関連性が強いこと、また、都道府県の異質性を考慮すると、単純なOLSよりも完全失業率が年齢調整自殺に与える効果が大きいとの知見が得られた。

論文

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2021年度三田論

安澤航太・岩瀬龍広・北原伸太郎・小島洋人・都築英莉「我が国の悪性新生物転換の現在」(経済学部三田祭論文コンクール銅賞受賞論文

 「人口転換理論」によれば、人間社会は近代化に伴い多産多死から少産少死に至る一連の流れを辿る。この人口転換の間の死亡率低下に伴い、寿命が伸長し、疾病構造が変化する疫学的転換の進行により平均寿命は延伸したものの、先進諸国では、1970 年頃までは若年層の死亡率改善の寄与が大きく、高齢死亡率の改善はそれほど顕著ではなかったとされている。しかしながら、その後我が国の近年の平均寿命は男女ともに 80 歳を超えた。この延びは、1970年以前とは異なり、 慢性的疾患の死亡率改善による高齢死亡率の低下の寄与が大きいとされている。これは、人口転換期とは異なる「ポスト人口転換期」における死亡動向として捉 えることが可能である。
 一方、悪性新生物は昭和 56 年から現在に至るまで、我が国の死亡原因の第一位となっており、平均寿命延伸の課題の一つとなっている。「悪性新生物転換」という概念によれば、子宮頸がん、胃がんといった感染症と強い関連性のある悪性新生物の死亡率が先に減少し、その後に関連性の低いまたはない悪性新生物に遷移していくとされる。
 本研究では、この悪性新生物転換が論じられた 1990 年代までの動向に加え、その後のいわば「ポスト悪性新生物転換」という新しい動向を認めることができるのかという観点から、ポスト人口転換期における主要部位別の悪性新生物死亡率の動向を含めて長期的に観察することで悪性新生物転換の現在における位置付けについて再考することを目的としている。

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2020年度三田論

齋藤優汰郎「北海道の市区町村別人口性比について」(経済学部三田祭論文コンクール投稿論文)

人口に占める男女の偏りを表す人口性比は、地域によって異なる様相を見せる。本研究は、北海道の市区町村別人口性比について、全国平均から大きく乖離している地域はどこか、その差を生み出している原因は何かという2つの観点から定量的な分析を行ったものである。

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大川祥平「人口増減が地域経済に与えるインパクトに関する研究」

本研究は一部の地域に人口が集中することが地域経済、及び国全体の経済に与える影響について考察することを目的とし、地域経済に人口移動が与える影響に関するいくつかの先行研究をまとめて示し、これに基づいて仮説を提示することで、今後の研究の基礎となる理論的整理を行ったものである。

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小澤亮太「国内観光産業における年代別・地域別 消費動向に関する分析」

本研究は、日本国内における観光産業について国内旅行者の居住地、主目的地、年代などのデータを分析し、それらの傾向について考察することを目的とし、国立社会保障・人口問題研究所(2018)「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」と国土交通省観光庁(2011,2020)「旅行・観光消費動向調査」を用いて、2045年における国内旅行者の人数と消費額に関する推計を行ったものである。

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澤畑祐人「労働力不足と外国人労働者の人口学的分析」

本研究では、過去数年間の日本における外国人労働者数と、労働力不足との相関性を統計的に推定し、外国人労働者受け入れの影響と、どの産業における影響力が大きいのかという問いに答える観点から、先行研究をレビューし、データを用いた人口学的な実証分析の方法論について論じる。

論文

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寺西開「非大都市圏へのUターンと地域経済」

本研究は、日本の非大都市圏について、国内での人口移動、とくにUターン移動についての分析を通じて地方の人口減少対策としての移住政策を考察することを目的とし、国立社会保障・人口問題研究所「人口移動調査」の結果からUターンの都道府県別の実態を観察し、地域経済へ与える影響を分析するための先行研究のレビューに基づいて理論的整理を行うとともに、都道府県別労働生産性の推計を行った。

論文

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山下遼馬「関東7都県の地方創生総合戦略における待機児童に関する施策とその評価」

本研究は関東7都県の平成27年度から令和元年までの地方創生総合戦略における待機児童に関する施策、K P Iとその自動待機実績値を比較し施策効果の検証を目的とする。第一期地方創生総合戦略は平成27年度から平成31年度までの施策であり、令和2年度現在、その間の待機児童数が公表された。本研究では東京圏を中心とした人口移動の大きい関東7都県の第一期地方創生総合戦略と待機児童実績値を比較する。

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2019年度三田論

井口雄喜・後藤克徳・西山賢治・堀口侑「外国人受け入れの拡大によるわが国の経済・社会構􏰀への影響に関する人口学的研究」(経済学部三田祭論文コンクール投稿論文)

本研究は、移民受入れがもたらす日本社会への影響について、外国人受入れの 拡大による経済・社会構􏰀の変化やそれらがもたらすインパクトを長期的な人口動向の変動を通じて考察することを目的とし、外国人労働者の受け入れが日本社会に及ぼす影響について、日本全体について賃金水準や社会保障(特に公的年金財政)に及ぼす影響、地方について地域人口や地方財政(特に教育費負担)に及ぼす影響、という二つの視点から分析を行ったものである。

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